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介助犬の訓練と指導

介助犬になるまでの訓練と、使用者自身への指導の説明です。

介助犬になるには、高度な訓練が必要で、指導する側にも十分な経験と使用者の障害にあわせて訓練するため、障害を持つ人の生活をよく知っている必要もあります。使用者の障害や暮らしに合わせオーダーメイドの訓練を行わなければなりません。全て同じ訓練でよいというわけでないところが、介助犬普及の難しいところです。

介助犬の訓練

『介助犬』という言葉は、あまりなじみがありませんが、介助犬とは、「病気やけがで、手足は自由に動かない人を介助するために専門的な訓練を受けた犬のことです。 訓練にはラブラドールやゴールデンレトリバー種の犬を用います。対象者が決まったら、その方の障害に応じたオーダーメイドの訓練を行います。ユーザーの方の障害に応じて犬のリードがもてる方向に犬が付くように徹底させたり、自宅のドア形式に合わせて開閉の訓練をしたり、ユーザーの方が体位の変換が出来ない場合は、体を移動させるなどの訓練メニューを多彩に細かく行います。 命令語は男性、女性でも犬が迷わないように英語で行います。「新聞・テイク」「ドアを・プル」というようにテイク=持ってきなさい。プル=引っ張りなさい。など動詞と名詞を組み合わせ必要な介助ができるように トレーニングします。訓練によって買い物に出かけて、レジでの支払いも介助できるようになります。 介助犬の訓練は(1)基礎訓練 (2)介助動作訓練 (3)合同訓練の3段階で実施します。

(1)基礎訓練は下記の基本動作を確実に行えるよう訓練します。

基本動作は、訓練所だけでなく、あらゆる環境の室内・屋外で行えるように訓練します。 場所としては、公共交通機関(バス・電車)やホテルなど宿泊施設、スーパーや百貨店、レストランなどの飲食店などでも必要に応じて訓練します。おおむね基礎訓練は60日以上実施しなければなりません。

  • 呼んだら来る
  • 座る、伏せる、待つ、止まる
  • 解除の命令があるまで命令を保持する
  • 人の側を強く引っ張らずに落ちついて歩く
  • 指示された時 ・ 場所で排泄が出来る
  • 音響、食物、他の動物など様々な刺激や関心ごとを無視できる
  • 使用者に注目して集中できる
  • 指示された場所(部屋・車など)に入ることが出来る

(2)介助動作訓練

介助動作訓練とは、肢体不自由者の日常生活動作を介助するために必要な動作訓練のことです。 介助動作訓練は、使用者のニーズに応じて、介助動作を確実に行えるよう訓練しなければなりません。

  • 物の拾い上げ及び運搬
  • 指示された物を手元に持ってくる
  • ドアの開閉
  • スイッチの操作
  • 車いすへの移乗介助
  • 車いすの牽引等
  • 衣服や靴等の着脱
  • 起立、体位変換時の介助
  • 歩行介助と姿勢支持
  • 階段昇降の介助
  • 緊急時の連絡手段確保
  • 室内におけるだけでなく屋外においても行えるように訓練します。
  • 介助動作訓練は、120日間以上訓練し、基礎訓練と並行して訓練します。

備考

介助動作訓練は、様々な専門家協力体制によって介助犬使用者の障害とニーズについての正しい評価に基づいて作成された訓練計画により、介助動作訓練の過程において使用者と候補犬との適合評価は訓練開始の事前に行い、介助動作訓練を実施する際、周囲の人や施設に迷惑・危害を及ぼさないように訓練します。

(3)合同訓練

合同訓練とは、使用者本人が犬に指示をして、基礎動作及び介助動作を適切に行わせることができるようにする適合訓練です。合同訓練においては、概ね下記の訓練及び使用者に対する指導を行います。

  1. 使用者の障害やニーズに合わせた訓練。
  2. 使用者の生活環境(室内外)に合わせた訓練。
  3. 使用者に対する犬の飼育管理、健康管理、給餌、排泄等に関する指導。
  4. 公共交通機関、宿泊施設、商業施設及び飲食施設等の利用施設に同伴する訓練。
  5. 合同訓練においては、使用者に対する犬とのコミュニケーション手段の指導。
  6. 合同訓練は、40日間以上、指導する。
  7. 合同訓練の最終段階では、使用者の自宅、職場又は学校において上記の1~3の指導を10日間以上指導します。
  8. 上記④の指導においては周囲の人や施設に迷惑・危害を及ぼさないように訓練します。

継続的な訓練・指導

介助犬使用者の障害やニーズの変化あるいは環境の変化等に対応するため、犬の引き渡し後においても継続的な訓練及び指導を実施します。継続的な訓練及び指導は、下記の内容で実施します。

  1. 使用者の障害やニーズの変化に応じた補充訓練。
  2. 環境の変化に応じた追加訓練。
  3. 使用者の必要に応じ、犬の基礎動作及び介助動作の再訓練。
  4. 介助犬の健康状態及び行動・作業状況の確認と指導。
  5. 犬のリタイア時期及びリタイア後の対応についての相談・指導。
  6. 最低1年に1回は、上記1~4ついて使用者から報告を求め、必要に応じて自宅を訪問等により継続 的な指導を実施します。特に最初の一年目は2~3ヶ月に一度は報告を受けながら指導を実施します。

介助犬の説明

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